公開: 2022年9月23日
更新: 2022年11月11日
小泉保は、古代日本語が縄文語から、現代の日本語に近い弥生語がどのように形成されたかを、日本語の比較言語学の方法を用いた、名詞の音韻分析に基づき、次のように推定しています。縄文時代前期の日本列島で話されていた言葉は、地方による違いが少ない言葉だとすれば、九州地方で話されていた言葉が基になり、縄文中期以降に朝鮮半島から移ってきた人々の言葉や、大和を含む西日本の地方で話されていた言葉などが融合して、弥生時代の日本語が形成されたとする説です。
小泉氏は、アイヌ語を古代日本語が属しているとされている、南方系環太平洋言語の一つと位置付けています。そのため、アイヌ語は、縄文語が形成される過程で、古代日本語に吸収されたとする立場をとっています。
小泉 保著、「縄文語の発見」、青土社(1998)、258ページ〜267ページ